共用サーバー内の各ユーザーはオリジナルのドメインの設定が可能で、マルチドメイン(1ユーザーで複数のオリジナルドメインの設定)、サブドメイン、CRON、専用HDD領域、メールアドレスの作成、データベース、PHPやCGI、FTP、SFTPなど、多くのサービスを利用することが出来ます。業者によっては、メーリングリスト機能やメールマガジン発行機能の提供、WebメールソフトやWebベースのサーバーファイル管理ソフトなどの便利なWebアプリケーションも提供してくれます。(※ホスティング業者によってサービス内容は異なります。)また、初心者の方でもサーバーが操作できるようにサーバー管理画面が用意されています。通常サーバーはコマンドと呼ばれる命令文で指示を出して操作しますが、これには専門の知識が必要です。そこでWebブラウザを通して管理画面を提供し、そこから、メールアドレスの作成やドメインの設定、アプリケーションの設定、データベースの設定など、サーバーの運営に必要な各種作業を行いサーバーを操作することが出来ます。
サーバーの保守・管理・運用はホスティング業者に一任できるのでユーザー側で手を掛ける必要はありません。業者は24時間365日の監視体制で運用し、セキュリティパッチの適用や不正アクセス対策、障害発生時の復旧作業、サーバーダウン時の再起動、ハードディスが故障し場合などにはバックアップから速やかに元の状態に復旧させます。
このように共用サーバーは、低価格で初心者にも手軽に豊富なサービスを利用できるのがメリットです。
一方で、サーバーマシンを複数のユーザーで共有するので、1ユーザーに割り当てられるサーバーや回線の資源は乏しくなります。また、サーバー内の他のユーザーの利用状況にも大きく影響されます。共用サーバーでは、CPUやメモリーなどのリソース不足問題、回線のトラフィック不足問題、セキュリティー面での脆弱性など、他のユーザーの稼働状況に巻き込まれる類のトラブルが発生します。。例えば、あるユーザーのWebサイトへのアクセスが急に増大したりすると、同じサーバーで稼働している他のユーザーのWebサービスのパフォーマンスが低下するようなことが起こります。また、あるユーザーが引き込んだウィルスがサーバー内の他のユーザーに感染する可能性もあります。このように共用サーバーでは、サーバーマシンや接続回線を不特定多数のユーザーと共有するので、安定性やスピードにはかなりバラつきが発生します。機密性やウィルスなどの問題においても安全面には弱いサービスです。また、アクセス増大によって現状プランの処理能力を超える場合、プランの変更が必要となり、移行作業にはかなりの手間が発生します。スケールアップ型のVPSやクラウドでは、必要に応じてサーバーリソースを柔軟に増強することが出来、プラン変更による移行作業などは必要ありません。
共用サーバーは低価格で手軽な反面デメリットもありますが、一般的なWebサイトを運営する程度であれば十分運営することが出来ます(あまり心配する必要はありません)。