「++(加算子)」/「- -(減算子)」は数値や文字列以外の論理値(boolean)、配列(array)、オブジェクト(object)、リソース(resource)などの値には何も変更を加えません。同じく NULL に減算子を適用しても何も起こりませんが、NULL に加算子を適用すると 1 となります。

加算子／減算子の種類

加算子／減算子の種類、優先順位、結合時の評価です。すべての演算子の種類や優先順位はこちらを参照下さい。

演算子	名前	優先順位	結合時の評価	例	結果
++$a	前置加算子	1	結合しない	++$a	$a に 1 を加え、$a を返します。
$a++	後置加算子	1	結合しない	$a++	$a を返し、$a に1を加えます。
– -$a	前置減算子	1	結合しない	– -$a	$a から 1 を引き、$a を返します。
$a- –	後置減算子	1	結合しない	$a- –	$a を返し、$a から 1 を引きます。

計算の例

前置加算子数値 ++$i

前置加算子は変数の前に加算子を配置します。++$i という形です。最初に $i に 1 を加え、$i を返します。

<!-- サンプルコード -->
<?php
$i = 10;
echo ++$i;
?>

<?php

$i = 10;

echo ++$i;

結果は

となります。

後置加算子数値 $i++

後置加算子は変数の後に加算子を配置します。$i++ という形になります。$i を返し、その後に $i に 1 を加えます。

<!-- サンプルコード -->
<?php
$i = 10;
echo $i++."<br>\n";
echo $i;
?>

<?php

$i = 10;

echo $i++."<br>\n";

echo $i;

結果は

10
11

となります。

前置減算子数値 – -$i

前置減算子は変数の前に減算子を配置します。–$i という形です。最初に $i から 1 を引き、$i を返します。

<!-- サンプルコード -->
<?php
$i = 10;
echo --$i;
?>

<?php

$i = 10;

echo --$i;

結果は

となります。

後置減算子数値 $i- –

後置減算子は変数の後に減算子を配置します。$i– という形になります。$i を返し、その後に $i から 1 を引きます。

<!-- サンプルコード -->
<?php
$i = 10;
echo $i--."<br>\n";
echo $i;
?>

<?php

$i = 10;

echo $i--."<br>\n";

echo $i;

結果は

10
9

となります。

bool（ブール）型の値に適応

ブール（bool）型の値を格納した変数に加算子／減算子を適応しても何も変化しません。

<!-- サンプルコード -->
<?php
$true = TRUE;
$true++;
echo "$true<br>\n";

$false = FALSE;
$false++;
echo "$false<br>\n";
?>

<?php

$true = TRUE;

$true++;

echo "$true<br>\n";

$false = FALSE;

$false++;

echo "$false<br>\n";

結果は

となります。

NULLに加算子を適応

NULL値に加算子を適応すると 1 となる

<!-- サンプルコード -->
<?php
$null = NULL;
$null++;
echo "$null<br>\n";
?>

<?php

$null = NULL;

$null++;

echo "$null<br>\n";

結果は

となります。

文字列に加算子を適応

加算子は文字列を格納した変数に対して変更を加えることが可能です。加算は Perl の習慣に従います。例えば、$a = 'Z'; $a++; とした場合、結果は AA になります。文字列変数に対して減算子で変更を加えることは出来ません。プレーンな ASCII文字と数字(a-z、A-Z、そして 0-9)のみがサポートされています。

文字列 a をインクリメントした場合

アルファベット a に加算子<br>
<?php
$s = 'a';
for ($n=0; $n<5; $n++) {
	echo ++$s.'<br>';
}
?>

アルファベット a に加算子<br>

<?php

$s = 'a';

for ($n=0; $n<5; $n++) {

echo ++$s.'<br>';

}

結果は

b
c
d
e
f

となります。

文字列 x をインクリメントした場合

アルファベット x に加算子<br>
<?php
$s = 'x';
for ($n=0; $n<5; $n++) {
	echo ++$s.'<br>';
}
?>

アルファベット x に加算子<br>

<?php

$s = 'x';

for ($n=0; $n<5; $n++) {

echo ++$s.'<br>';

}

結果は

y
z
aa
ab
ac

となります。

文字列 zx をインクリメントした場合

アルファベット zx に加算子<br>
<?php
$s = 'zx';
for ($n=0; $n<5; $n++) {
	echo ++$s.'<br>';
}
?>

アルファベット zx に加算子<br>

<?php

$s = 'zx';

for ($n=0; $n<5; $n++) {

echo ++$s.'<br>';

}

結果は

zy
zz
aaa
aab
aac

となります。

文字列の数字 A8 をインクリメントした場合

文字列の数字の挙動 A8 に加算子<br>
<?php
$s = 'A8';
for ($n=0; $n<6; $n++) {
	echo ++$s.'<br>';
}
?>

文字列の数字の挙動 A8 に加算子<br>

<?php

$s = 'A8';

for ($n=0; $n<6; $n++) {

echo ++$s.'<br>';

}

結果は

A9
B0
B1
B2
B3
B4

となります。

文字列の数字 A08 をインクリメントした場合

文字列の数字の挙動 A08 に加算子<br>
<?php
$s = 'A08';
for ($n=0; $n<6; $n++) {
	echo ++$s.'<br>';
}
?>

文字列の数字の挙動 A08 に加算子<br>

<?php

$s = 'A08';

for ($n=0; $n<6; $n++) {

echo ++$s.'<br>';

}

結果は

A09
A10
A11
A12
A13
A14

となります。

文字列の数字 A008 をインクリメントした場合

文字列の数字の挙動 A008 に加算子<br>
<?php
$s = 'A008';
for ($n=0; $n<6; $n++) {
	echo ++$s.'<br>';
}
?>

文字列の数字の挙動 A008 に加算子<br>

<?php

$s = 'A008';

for ($n=0; $n<6; $n++) {

echo ++$s.'<br>';

}

結果は

A009
A010
A011
A012
A013
A014

となります。

サンプルコード

– サンプル Click Here ! –

<!-- サンプルコード -->
<h3>++$i 前置加算子 数値</h3>
<?php
$i = 10;
echo ++$i;
?>

<h3>$i++ 後置加算子 数値</h3>
<?php
$i = 10;
echo $i++."<br>\n";
echo $i;
?>

<h3>--$i 前置減算子 数値</h3>
<?php
$i = 10;
echo --$i;
?>

<h3>$i-- 後置減算子 数値</h3>
<?php
$i = 10;
echo $i--."<br>\n";
echo $i;
?>

<h3>++$s 前置加算子 文字列</h3>
<?php
$s = 'h';
echo ++$s;
?>

<h3>$s++ 後置加算子 文字列</h3>
<?php
$s = 'h';
echo $s++."<br>\n";
echo $s;
?>

<h3>--$s 前置減算子 文字列</h3>
<?php
$s = 'h';
echo --$s;
?>

<h3>$s-- 後置減算子 文字列</h3>
<?php
$s = 'h';
echo $s--."<br>\n";
echo $s;
?>