レンタルサーバーとは、共用サーバーやホスティングサーバーとも言い、インターネットへの情報発信用に構築されたサーバーマシンのスペースや機能を一般に提供しているサービスの事です。ユーザーはインターネットを介し、Webブラウザを通してこのサービスを利用することが出来ます。レンタルサーバーでは、提供事業者がサーバーの管理やメンテナンスをすべて行うので、契約ユーザーはサーバー管理の知識などは必要なく、事業者が用意した管理画面をWebブラウザから操作することでサーバーに指示を出すことが出来ます。レンタルサーバーを利用することで、独自のホームページやブログを立ち上げてインターネット上に公開したり、メールアドレスを作ったりすることが出来ます。その他にも活用次第で多くのWebサービスが実現できます。
レンタルサーバーを提供する事業者をホスティング事業者と呼びます。ホスティング業者が提供するホスティングサービス或いはホスティングサーバーの1つにレンタルサーバー(共用サーバー)があります。
レンタルサーバーの提供者は、電気通信事業者(さくらインターネットなど)やISP(インターネット・サービス・プロバイダー niftyやso-netなどの接続事業者)、ホスティングサービス専業の事業者(ロリポップなど)などです。規模の小さい業者から大きい業者まで様々な事業者がレンタルサーバーを提供しています。
レンタルサーバーを提供している老舗事業者のさくらインターネットは、日本において電気通信事業者に位置づけられており、レンタルサーバー(共用サーバー)だけでなく、専用サーバー、VPS、クラウド、ハウジング(コロケーション)のすべてのホスティングサービスを提供し、さらにIDC(インターネットデータセンター)という専門施設を運営してします。一方で、個人向けに業界最安値水準でレンタルサーバーのみを提供しているロリポップなどは、ホスティングサービス専業の事業者(ホスティング事業者)です。
レンタルサーバーを提供するホスティング事業者は、自社の、或いは、他の事業者(より規模の大きいISPや電気通信事業者)の施設を利用するなどして、IDC(インターネットデータセンター、データセンター)という専門施設にサーバーマシンやネットワーク機器を設置しています。この施設は、耐震耐火設計でコンピューターの設置や熱処理を効率的に行い、停電にも対処できる蓄電池を備え、大容量の通信回線(基幹回線網・バックボーン)と接続される等、様々なコンピューターやデータ通信などの装置を設置・運用するのに特化した施設です。データセンターでは24時間365日専門の知識と技術を有した管理者により機器の運用・保守が施されています。
データセンターは国内や海外など様々な場所に存在します。ホスティング業者によって
端的に言うと独自のホームページやブログを立ち上げてインターネット上に公開したり、メールアドレスを作ったりすることが出来ます。「でもFC2やアメーバなどの無料ブログなどもあるし、インターネット回線を契約しているプロバイダーなどがホームページ立ち上げのスペースを無料で提供しているけど、何が違うの?」と思われる方もいるでしょう。大きな違いは、提供されるサーバーの機能やスペック、Webアプリケーションサービス、サポート体制などです。有料のレンタルサーバーでは充実したサービスの提供を受けることが出来ます。無料サービスでは、サーバーが安定しなかったり、容量が足りなかったり、メールアドレスが1つしか作れなかったり、オリジナルデザインが作れなかったり、ドメイン名が決められなかったりと様々な制約があります。また、無料サービスの場合、不要な広告が表示されたりします。さらに、最大のリスクとして、サービス停止によるサイト閉鎖という事態が高い確率でありえます。
有料のレンタルサーバーを利用するとそれらの制約が取り払われます。オリジナルドメインの利用、ドメインやサブドメインの複数設定、大容量ディスクスペース、FTPやSSHなどの接続サービス、Webブラウザでサーバーを遠隔操作できる管理画面、複数メールアドレスの作成、SSLの暗号化通信、PHPやPerlなどのプログラム言語の利用、データベースの作成など非常に充実した機能が用意されています。個人や会社のオリジナルホームページやブログの構築・公開は勿論、掲示板やチャット、オンラインショップ(ECサイト:電子商取引)など、動的でインタラクティブ(双方向)なWebサービスを公開したり、アフィリエイトサイトを運営、会員制Webサイトの構築、容量の大きいファイルをネット上に保存して他のユーザーと共有するなど、様々な活用方法を可能にし、小規模から大規模まで多様な用途に対応できます。その他にも、Webメーラーソフトが提供されたり、メーリングリストが作成できたり、メールマガジンが発行できたりなど便利なWebアプリケーションなども提供してくれます。
しかしながら、レンタルサーバーによってもサービス内容に差異があります。目的とする用途に合わせてレンタルサーバーのサービス内容を確認する必要があるでしょう。そこで、レンタルサーバーを選ぶ時に何を考えるべきかを5つのポイントを纏めてみました。初心者の方にとって優先順位の高い項目の説明をしています。是非参考にしてみて下さい!こちら
レンタルサーバーには幾つかのサービス形態があります。【共用サーバー】、【専用サーバー】、【VPS】、【クラウド】、【ハウジング(コロケーション)】が代表的なサービスとなります。各サービスには特徴があり、ユーザーの用途に合わせて用意されています。初心者の方は共用サーバーが対象となるでしょう。
このサービスは、1台のサーバーマシンを複数領域に分割して各領域にドメインを設定し運用します。複数ユーザーで1台のサーバーを共有するので、低価格で利用することが出来ます。
共用サーバー内の各ユーザーはオリジナルのドメインの設定が可能で、マルチドメイン(1ユーザーで複数のオリジナルドメインの設定)、サブドメイン、CRON、専用HDD領域、メールアドレスの作成、データベース、PHPやCGI、FTP、SFTPなど、多くのサービスを利用することが出来ます。
※ホスティング業者によって機能は異なります。
※ドメイン名とは、インターネット上で、コンピューターやネットワークの所在地を示す名称の一つです。噛み砕いた表現だとインターネット上の住所といわれます。ホームページのアドレス「https://wepicks.net」やメールアドレス「info@wepicks.net」などで目にすると思います。
このサービスは、ユーザーがサーバーマシン1台を占有して利用するサービスです。別名セルフマネージドサーバーともいいます。専用サーバーでは、ユーザーにRoot権限(Administrator権限)というサーバーの管理者権限が付与され、サーバーOS、サーバーアプリケーションなどを自由に選択してインストールし、ユーザー独自のサーバー設定で運用することができます。また、サーバーマシン1台のリソースを完全に占有できるので、拡張性や自由度に加えて、高いパフォーマンス、安全性、柔軟性に優れています。専用サーバーでは、共用サーバーで発生するようなCPUやメモリーなどのリソース不足問題、トラフィック不足問題、セキュリティー面での脆弱性など、他のユーザーに巻き込まれる類のトラブルが発生しません。このように優れたパフォーマンスを発揮する専用サーバーですが、その分、共用サーバーに比べて高いコストが発生します。さらに、サーバーの保守・管理・運営は、ユーザー自身で行う必要があるのでサーバー技術者が必要になります。
VPSサービスは、1台の共用サーバーに仮想的に専用サーバーと同様の機能を持たせて提供するサービスです。このサービスでは、ユーザーは専用サーバーとほぼ同じサーバー機能を利用することが可能であり、より低価格で利用することが出来ます。専用サーバーとは、ユーザーが1台のサーバーマシンを占有して利用するサービスです。また、VPS技術によって、CPUやメモリ、ディスク容量などのサーバーリソースは各ユーザーへ平等に分配されており、他のユーザーの影響を受けない仕組みななっています。VPSのメリットは、低価格で専用サーバーと同様の機能が利用できることです。ホスティング業者によってはサーバーOS(オペレーティングシステム)の選択も可能です。一方で、VPSサービスではRoot権限が付与されるのでサーバーの操作や管理に専門の知識が必要となります。管理画面などを用意している業者もありますが、VPSを利用するにはある程度自身でサーバーを管理・運用する必要があります。現在、VPSサービスの普及は拡大しつつあり、価格も低価格化が進んでいます。殆どの主だったレンタルサーバー業者で提供されています。
クラウドサービスは、クラウドコンピューティング技術によってサーバーリソースを要求に応じて拡張(スケールアップ)したり縮小(スケールアウト)したりするサーバーです。サーバーマシンを1台~複数台で構成することが可能で、CPUコア数やメモリ容量などを必要に応じて提供することが出来ます。この特徴を生かすことで、将来の成長予測が難しいWebサービスの場合でも、小規模の構成でスタートし、サービスの成長に従って大規模な構成へスムーズに移行することが出来ます。料金体系は使用したサーバーリソース分だけ支払う従量制課金や、CPUコア数やメモリ容量の構成によって毎月支払う月額制などがあります。
ホスティング業者(レンタルサーバー)が保有している施設(データセンター)に顧客のサーバーマシンを設置し、スペースや電源、インターネット回線などを提供するサービスです。ユーザーが自前で用意した機器を施設に持ち込み、ユーザー自身で保守・管理を行います。事業者によっては、オプションサービスとして機器の保守、セキュリティー対策やデータのバックアップなどを請け負う場合もあります。共用サーバーや専用サーバーなど他のサービスの場合は、サーバーマシンや通信機の保守・管理はホスティング業者が担います。事業者が運用するサーバーをユーザーがインターネット回線を介して利用するサービスです。
料金には、ホスティング業者(レンタルサーバー)による違いと、また、同じ業者であってもプランやオプションサービスによる違いがあります。業者の価格設定は月数百円の安いものから、数千円や数万円の高いものまであります。この開きは、業者やプランの特長によるところが大きく影響します。
個人向けの小規模サイトをターゲットとしている、例えば「ロリポップ」「チカッパ」「ミニバード」などや、「さくらレンタルサーバーの最安プラン」「ステップサーバーの最安プラン」などでは、月額125円~300円程度で利用することが可能です。この手の業者やプランは、無駄な機能を省きなが、充実したサービスを提供し、小規模サイトをターゲットとしながらも中規模程度のサイトでも運用できる内容になっています。中規模サイトをターゲットとしている業者やプランには及ばない機能やサービスはありますが、個人や小規模サイトであれば十分に対応できるスペックと言えます。上記で紹介した業者は実績もあり安くても安心して利用できます。中途半端な無名業者の月1000円~2000円のプランより優れていると言えるでしょう。初めてレンタルサーバーを利用する方にはとても適しているレンタルサーバーと思います。
この価格帯のサービスは、個人事業や中小企業向けの中規模サイトを運営するのに向いてます。ディスク容量も大きく、メールアドレス作成数、マルチドメイン数、サブドメイン数、データベース数、独自ドメインのSSLなど月額数百円のプランに比べてサーバー機能は充実します。この価格帯になると共用サーバーだけでなく、VPSやクラウドも利用できます。VPSやクラウドではRoot権限が付与される場合もあり、共用サーバーにくらべて格段に拡張性や自由度が増します。しかしながらサーバー操作の知識が必要で、Unix OS 経験者が望ましいといえます。サーバー操作の知識を身に付けたい型はVPSやクラウドでRoot権限付きのプランがおすすめだと思いますが、そうでない方は管理が楽な共用サーバーをお勧めします。
この価格帯のサービスは、VPSやクラウドの上位プランや専用サーバープランも選択できるようになります。アクセス数が多く、データベース負荷の高いサイトに向いています。特に機密情報を扱うサイトであれば物理的に隔離されている専用サーバーが望ましいでしょう。